肝試しの夜に

2/10
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
 「その真面目な学級委員長は先生からの 信頼も厚いから、羽目をはずす奴がいたら 止めてくれって頼まれてるの。っていうか あんたも学級委員でしょうが。」  じろっと隣の男子…もう一人の学級委員、 松川を睨む。松川は相変わらずへらへらした 顔を崩さない。  「いやだって、俺オマケの委員だから。 杉野さんが全部やってくれるから俺は遊んで ばっかだし?ほらルール説明始まるよ~。」  最低かお前。  今度こそ舌打ちしてルール説明を聞く。  「ルールは簡単!今から渡す地図にある ルートを通って、旧校舎の怪談を制覇する こと!最後のとこにあるキーホルダーを持っ て帰ってこれればオッケー!男女ペアで五分おきに出発で!」  旧校舎の怪談…噂には聞いたことがある。 全部で3つの怪談だったはずだ。    1つ目は誰もいないのに足音のする廊下。  2つ目は誰かが誰かが映り込む窓ガラス。  3つ目は本人も知らない真実を映す鏡。  大方校舎が古びて起こる現象か見間違い だろうが、まぁ何かあった時には報告でも しておこうか。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!