第一部《伍》

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年が明けた天文十七年二月婚礼の式が執り行われた。 信長、帰蝶と若い二人だった。 マムシの娘だけあって勝ち気な帰蝶だが、優しい心の持ち主でもある。 そんな、帰蝶を信長は気に入り濃と呼ぶ様になっていた。 婚礼の晩、信長と濃姫はそっと宴をぬけ二人で夜空を見ていた。 濃姫「綺麗な夜空で御座いますね」 信長「そうだな、酌を」 濃姫「はい、信長様」 そんな、二人を見ていた政秀は(これでやっと落ち着いてくださる)と思い家中の者達と酒を酌み交わしていた。 また、信秀も政秀と同じ思いであった。
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