第一部《壱》

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第一部《壱》

「チュンチュン」鳥の囀りが聞こえ、のどかな風景の中。 『おんぎゃー、おんぎゃー』と、元気な赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。 「殿、殿!土田御前様が男の子お産みになりましたで御座いまする」 信秀「おぉー!男の子か良くやった!良くや            ったぞ!でかしたぞ!ほんにようやった」   「安生しておるのだぞ」 御前「分かりました」 信秀「幼名を決めなければならぬな」   「………」 御前「もう、決めております…殿」   「吉法師はいかがでごさいましょう」 信秀「良い名じゃのう」 信秀は吉法師を抱き上げ、これからお主は吉法師ぞ立派に育ってくれ、と心の中でそっと唱えた。
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