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おじさんとの別れ
そんな感じで駅に向かい進んでいると驚いたね、おじさんがいつもの様に花の手入れをしていたんだよ
「おじさんっ!」
「真依ちゃん、駅に行くのかい」
「おじさんも早く行かないと、戦争始まっちゃうよ」
「はっはは、そうだねぇ、おじさんも逃げないといけないけどお花のお世話しないと枯れちゃうからね、はっはは大変だ」
まるでおじさんの周りだけいつも通りのいつもの時間が流れている様だった、私はもしかしたらおじさんに触るといつも通りの生活に戻れるのかなと思いちょっと触ってみたが返ってきたのはちょっとイラついたお父さんの声。
「真依っ早く行くぞ」
「ほら真依ちゃん、お父さん呼んでるよ」
何故か私は泣き始めたの、おじさんが言う通りにしてくれないからか、いつもの様におじさんと花の話をしてうちへ帰るとお母さんが迎えてくれて、しばらくするとお父さんが帰ってきていつものような1日の終わりが望めないからか、いや、子供心に、もうおじさんとは会えない気がしてたんだと思う
実際、会えてないからコレが正解だと最近まで思ってたの、でも、この前突然、再会を果たすんだけどね、んじゃ、不正解じゃん⋯
まぁ細かい事はいいでしょこの際
「⋯おじさんも早く逃げてね」
「おじさんは弱虫だから危なくなったらすぐ逃げるよ、はっはは
でも真依ちゃんが帰って来て、このお花がなかったら悲しいだろ」
「⋯うん」
「よし、さっ早く行ってお父さん待ってるよ、はっはは」
私はとぼとぼとお父さん達の方へ向かったの、でも途中で大事な事を思い出しておじさんの元に駆け戻ったんだよ
「真依ちゃんどうしたんだい?」
「うん、あのね、おじさんのお名前は?」
土いじりの手を止め顔を上げると満面の笑みで応えてくれた
「こうのいち、だよ」
「こうのいちさんだね、また帰ってきたらお花の話聞かせてね」
おじさんは何も言わなかったが笑顔で応えてくれた
「じゃーまたね、こうのいちおじさん」
「じゃあ真依ちゃん、元気でね」
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