解説4 私に魔法の呪文を教えてくれました

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解説4 私に魔法の呪文を教えてくれました

 私が毎日唱え続けた魔法の言葉というのは、般若心経でした。最初は、唱えるといいと薦められても何故いいのか、唱えるだけで何が変わるのだろうかと疑問符だらけでした。けれど、何かすることを求めていた私には、それは願ってもないことでした。横になってじっとしているしかないと、人間は悪い事ばかり考えてしまうのですよね、特に痛みだったり痒みだったり、身体に不調を抱えているとなかなか良い事を考え続けるのは難しく、自然と恐怖や不安、居た堪れなさを感じ続けてしまうのです。それでアドバイス通り、般若心経を毎晩3回ずつ唱えることにしたのでした。意味は分からなくても構わないということでしたので、解説書などは殆ど読んでいません。最初は文字を追いながらでしたが、直ぐに暗記したので空で言えるようになりました。何時も神様やご先祖様と繋がっていることの大切さを知ったのは恐らくこの頃からだったと思います。それまでの私は、心底困っている時にしか神様に「お願い」をしなかったし、ご先祖様に対しても年に数回お墓参りに行くだけで、それほど特別な思いなどなかったように思います。般若心経は、毎日の小さな修行となりました。只唱えるだけなのに心が救われる、というのは不思議な感覚だったけれど、人の周りには確かに守ってくれている存在がたくさんあって、信じ続けることでそのサポートがどんどん強くなっていくのだということ。それは、精神が死の間際をうろついていたからこそ、より実感できたことかもしれません。 (この魔法の言葉は般若心経でなければならないわけではない、と今は思っています。少しでも自分の心が軽くなる言葉ならば「ありがとう」を何度も言い続ける、でもいいですし、ハワイの伝統的な癒しの言葉、ホ・オポノポノ「ごめんなさい、許してください、ありがとうございます、愛しています」でもいいですし、斎藤一人さんという人生哲学の第一人者の方の推奨する「あめのみなかぬしさま、お助けいただきましてありがとうございます」でもいいと思います。これは、兎に角現在自分が出す周波数、つまりエネルギーを変える行為なのです。自分が出している周波数は自分の感情に左右されます。そして、自分が出している周波数が自分の現実、未来を変えるとっても大切なファクターなのです。このことは量子力学という分野で科学的に証明されていることなので、良く分からない方は調べてみるといいと思います。)    それから、もう一つ教えられたこと、それはあらゆるものへの感謝でした。私はそれまで、自分に感謝が足りないだなんてことを考えたこともなかったのです。誰かに何かをしてもらったら直ぐにありがとうを伝えていたし、病気を治そうと必死になってくれる両親にもとても感謝していました。けれど、感謝はもっともっと小さな事、些細な事、普段の生活の中で当たり前になってしまっている事柄全てに何時も「ありがとう」と言えるかどうかにかかっているのです。目の前に使い勝手のいいペンがあること、喉を潤す水があること、空腹を満たす食べ物があること、安心して眠れる時間があること、今生きていること、呼吸をしていること...。無いもの強請りをしていては決して救われることはなく、既に与えられている小さな幸せに1つ1つ、心から感謝することこそが必要なのだと。「今こうして、平和な日本に生まれて、明日の食べるものや住む所の心配もしなくて済むこの状態にあるだけで、どんなに幸せか考えたことある?」ある人にそう言われて、私は不意に涙が毀れそうになりました。世界には綺麗な水さえ満足に飲むことができず、常に死の恐怖に晒されている子供もいます。それを考えれば、私には感謝すべきことがどれ程たくさんあるだろうか?そうして私は、毎朝東に向かって、朝日に生きていることへの感謝を、ご先祖様にはこの土地に住まわせて貰っていることへの感謝をしました。そうするうちに、段々と些細な事にも幸福を感じるようになってきました。それをはっきり感じたのは、とある猛暑日の夕方でした。熱を持った身体で魘されながらベッドに居た私に、窓から入り込むささやかな風がくれた言いようの無い心地よさ。風が吹く、という自然の摂理、ただそれだけのことに、こんなに感謝できたことは今までなかったような気がしました。どんなことに幸せを感じるか、それは人それぞれ違うけれど、物質的に豊かな国に生まれて暮らしていく内に私達は幸せの価値観を少し見失っているのかもしれないと、その時ふと思いました。そして毎日お風呂の中で自分の肌に「いつもありがとう、良く頑張ってくれているね」というような言葉掛けをするようになってから、皮膚の再生は目に見えて早くなったと感じることができました。その時、言葉の持つ力を改めて思い知らされました。私の肌は、勿論まだ客観的には相当酷い状態でした。けれど、絶対治るから一緒に頑張ってということを言い続けました。それまでずっと、「何でこんなに酷いの?」という悲しみの視線を送っていた肌に、何時の間にか、「こんなに酷くしちゃってごめんね、でも綺麗になるって信じてるから」と愛情の籠った視線を送れるようになっていました。悲しい、辛い、苦しいなどといったマイナスの思いは細胞を破壊させる力を持ちます。逆に、プラスの思いは細胞を修復させる力を持っています。人の身体の70%は水分でできています。「水からの伝言」という本を見たことがあるのですが、コップに入れた水道水に「ありがとう」と「ばかやろう」という紙を別々に貼ると、その水には明らかな違いが出るというのです。「ありがとう」という紙を貼った方は長持ちし、凍らせた際にできる結晶は綺麗な形を作りますが、「ばかやろう」の方はより腐りやすく、物凄く歪な形の結晶にしかならないのだとか。人体は60兆個の細胞で形成されていて、細胞の水分含有率は、生きている皮膚細胞で60~70%、脳で75%もあるといいます。以上のことを鑑みると、日々作り変えられている細胞を正常なものにする為には、できるだけプラスの思いで生活したり、そのような言葉を発するのが有効なのではないかなと思っています。
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