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テスト
テストの日がやってきた。
うちの学校は3日間にかけてテストをする。
全ての教科、どれか一つ赤点をとったら夏休みに補習がある。
それだけは避けたい。
俺達仲良し三人組は塾には行っていない。
本当は行った方が良いかもしれないが俺は大丈夫。
そう思ってるやつ程、危ないというがクロよりかはマシだ。
アオはアオでスポーツ万能、成績優秀であり俺より頭が良い。俺の部屋で勉強会をしてた時も嫌々ながらアカリに教えていた。
そんな俺達三人は朝早く学校へ行き三人でクロの為に勉強をする。
だが、またしてもアカリがそこにいた。
「私は風紀委員だからね。だから毎日早くきてるのよ。そしたら偶然、雪を見つけてね…」
それにしては教科書やら筆記用具を持ってきている。
アオは呆れてるのか言葉を失っていた。
「まぁー、前みたいに皆で勉強しよう」
「うん賛成っ!」
「じゃあ早速始めるぞ」
テストまで後1時間。
俺達はクロに教えながらも自分達の勉強をした。
前からテスト勉強をしていたので後は復習だけだ。
「よぉーし暗記、あんき!!」
クロはそう言いやる気満々であった。
チャイムが鳴りテストが始まる。
それから三日間、俺達四人は帰りに俺の家で、朝は学校に早く来て勉強しテストに挑むのだった。
テストの結果はすぐに分かった。
俺の平均は80点。
クラスの平均が65点であった。
クロはというと、にこやかな笑顔であったため赤点は免れたようだ。
「えへへっ初めてこんな良い点とった!皆と勉強したおかげだよ」
昼休み俺が飯を一人で食べているとクロが近寄ってきた。余程良い点なんだろうと思い聞いてみる。
「そんなに良かったのか?」
「へっへ。平均はなんと58点だよ」
「はぁークラスの平均点より下じゃないか。まぁーでも頑張ったな」
素直に俺はクロの頭に手を添え撫でた。
「そうでしょそうでしょ、もっと褒めて」
「あぁー。それよりアオ知らないか?一緒に飯食べようと思ったんだが…」
「あぁーそれなら屋上にいるよ」
「なんで屋上って分かるんだ?」
「うーん、なんでだろうね」
「いい加減だな…」
その日の帰り道、俺はクロ、アオと一緒に帰る。
アオの点数を聞くまではない。
だがクロはムッとした表情でアオを見ている。
そんな表情に気づいたのかアオがクロに言う。
「どうしたクロ?」
「どうしたじゃないよ。ちゃんと返事してあげなよアオ!」
「そう言われてもな…」
話しが掴めないがクロはアオに対し怒っているのだった。
それからしばらくクロはムッとしていた。
クロに何があったのかと聞いても
「なんでもない…」
そう答えるのだった。
夏休みが近づいてくる。
テストも終わったし、たまには寄り道も良いだろう。せっかくだから俺達と、あとアカリも一緒にどうだとクロに聞いてみる。
「アカリちゃん?うんとね、しばらく私の事はほっといてだって」
あんなにクロと一緒だったのに素っ気ない。
でもアカリがそう言うなら仕方がない。
俺達だけでカラオケに行く事にした。
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