引き抜きの厳命

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本人達の気持ちによりふさわしい場所を提供し、それは自分への戒めにも成っていた。 (何時もは評価する側ですが、今日は評価して頂きましょう) 頭付きのエリートに成った方が条件が良いのだから、コウノトリにしては厳しい条件下での評価と成る。 彼等を叩き上げながら、自分も叩き上げる必要もあった。 何故ならコウノトリは、今の自分が終着点とは思っていなかったからだ。 夕方シロが帰って来て、コウノトリの前に跪いた。 「うん、返答を下さい」 受けてシロは話し始めた。 「先ず二羽のカモメが言うに、コウノトリ殿に任せると。どの部署であろうと、自分達の出来る限りを尽くし、報いる自信があるとの事。又、今の給金でも満足している…との事でした。二名共に同意見でした」 コウノトリは頷き、シロは続けた。 「三羽ガラスは先ず三人で話し合い、その後長兄殿が代表で回答しました。言うに、もしも他の部署に移動なら、脱退も考える…と。とうに脱退のノルマもこなしてます…と。家具店を続けたい希望は抜きにしても、コウノトリ殿と仕事が続けられるなら、辞める気は全く無い…と。以上です」 コウノトリは頷き 「ご苦労様でした。下がって宜しい」 とシロに背を向け、三羽ガラス残留を決定した。
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