間違っていようが間違っていまいが

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間違っていようが間違っていまいが

四月六日 川辺でアカメとアオメは釣りをしている。 傍でコウノトリは書類とにらめっこ。 そこから少し離れて、シロは魚を焼いていた。 「皆様食事にしましょう。魚が焼けましたよ」 アカメとアオメとコウノトリが集まっているのには、訳があった。 新部署も出来て人事もあり、現在スカウトに力を入れている三人は、動く際の場所の割り振りや、雇用人数等からの金銭面・姿勢等の分担を分割する会議をしていた。 今後の仕事を互いがスムーズにする為、時折する必要があった。 会議は夕刻までの予定だったが、仲の良いこの三人は小一時間で終わらせてしまい、後は自分勝手にしていた。 三人は無言で魚を食べており、シロはお茶を足したり魚を焼き足したりしていたが、アカメが 「こんなにあるんだから、シロも食えよ」 と魚を差し出したので、皆で食べた。 無言の中シロが恐る恐る言った。 「あのー…皆様に質問があるんですが…」 アオメは無反応で食べて続け、コウノトリはシロの方へ手を止め目を向け、アカメは 「うん何だ?言ってみなさい」 と笑顔で言った。 シロは申し訳なさそうに質問した。 「皆様は仕事をどう考えてますか?世間一般では、お金の為に人を殺すなんて悪でしょう?」
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