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コウノトリが間髪入れずに答えた。
「悪ですよ。我々は悪其のものです。地獄行きは必至ですし、世間から非難されて然るべきです」
それを聞いたアカメは
「随分ハッキリ言うなあ」
と笑った。
シロは更に聞いた。
「疑問は無いんですか?」
コウノトリは又即答した。
「ありません。善人でありたいとも思いません。第一人が生きている時点で、善人がいるかって言う方が疑問ですね」
アオメは黙々と食べ、アカメは二人を愉しそうに見ながら言った。
「シロ、コウノトリは人間が嫌いなのさ。今釣りをして魚を食べたろう?魚だって釣られりゃ苦しいし焼かれりゃ熱い。それは人が死ぬ時の苦しみと、多分大差無い。同じ生命を断つ罪。魚を殺すも人を殺すも、大差無いって考えなのさ。それ所が人間が悪其のものだから、悪が悪を殺し生活するのは、理に叶ってる…人間嫌いのコウノトリの持論だよ。変わり者だからな」
アカメはそう言って笑った。シロは
「俺はコウノトリさん好きです」
と真面目に言った。
「ああ、俺もさ。コウノトリだってシロを信頼してるし、好きに決まってる」
そう言ってアカメは、シロの肩をポンと叩き続けた。
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