間違っていようが間違っていまいが

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「間違ってるか間違って無いかは、俺には然程関係無いさ。アオメは頭の甥っ子だし、コウノトリにとっても父親みたいな存在だ。俺も頭には頭が上がらない。頭がしてる事は殺しや金貸し、違法な薬の売買や不動産もしてると思えば、病院や学校にも多額の寄付したり、孤児院も持ってる。バラバラに思えるか?頭の中ではバラバラじゃないんだよ。頭は自分の生きる道を行ってて、俺達はそれに付いて行ってる。まぁ俺の場合は望まれてこの場所に居るから、頭が出て行けと言わない限りは、居るつもりだよ」 シロにとっては頭は怖い存在だし、遠すぎる存在でもあった。 アカメはそんなシロに続けて言う。 「しかし俺が正しいかと問われたら、多分正しくは無いだろう。疑問を持ってシロが悩むなら、シロの方が正しいかもな。この世界にどっぷり徹してるのは、狂人のみかもしれない」 アカメはそう思ったから、そう言ったのだ。 コウノトリが口を挟んだ。 「救われたいなら祈れば良いんです。命が惜しければ命乞いすれば良い。祈っても救われない者は救われないし、命乞いしても殺される者は殺されます」 シロはそれを聞いて、コウノトリが何かを諦めている様に思えた。 (救われる事に関しても、命に対しても、何処かで諦めているのかな?) シロは思った。 コウノトリが救いや命乞いを諦めて、それを代償に手にしたい自身があるんだろうと。 コウノトリはシロを見ず、下を向いたまま言った。 「シロはシロで良いんですよ。弟の様な存在ですが、私のコピーに成る事なんか無い。其のままで十分に有り難い存在です」 シロは思った。 コウノトリが救いを諦めてるなら、自分がコウノトリの為に祈れば良いんだと。 コウノトリが命乞いをしない時は、自分がどうなってもコウノトリの命を乞おうと。 (神様…) シロは川辺で片付けをし終わり、手を合わせた。
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