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建てかけの館、ウズシオ獲得編
二月二十八日
コウノトリは頭付きのチームであり、弓と剣に卓越した能力を持つ四人を借りる為、頭の元に出向いた。
両脇には手駒のムラサキとミドリを従えている。
門を入るとアカメと出会した。
コウノトリは深々と会釈すると
「トビウオ殿とコバンザメ殿の件、有難うございました」
と笑顔を見せた。
アカメも微笑んで返す。
「いや、今回は重責だし、貸せる物なら何だって貸そう。必ず成功させ、名を上げる事だ」
コウノトリが返事をすると、アカメは微笑んだままコウノトリの肩を軽く叩き、手駒と共に門を出た。
屋敷に入り奥へ進む。
大きな観音開きの部屋の前まで来て、両脇に居るガタイの大きな二人に、どちらとも無くコウノトリは言った。
「仕事の用件で頭に会いに来ました」
二人はコウノトリとムラサキとミドリの身体を軽く検査し、扉を開けた。
頭の前に三人は跪き会釈すると、頭は用件を聞いた。
真ん中のコウノトリは
「今回頂いた望月実秋の件にて、ウズシオを拝借したく参上仕りました。火計成功と迅速な任には、是非とも御力を頂きたく、お願い申しあげます」
と、もう片膝も折って平伏した。
「そうか。ウズシオは高いが採算は合うのか?」
頭は言った。
ウズシオというか、頭の人員を使えば費用は桁が違う。
コウノトリは返答する。
「はい。人数を絞り精兵で挑みます故、お任せ下さい」
と再度平伏すると、頭は快諾した。
ウズシオの四人の内三人は元々侍であった。
弓を放つ正確さは一城の旗本兵の力を持ち、また剣を持っても一流の使い手という面子のみのチームである。
コウノトリが任を確実に成功させる為選んだ、珠玉の人員だった。
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