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第二章 激戦
彩が目を覚ました。
部屋の中、しかも布団に寝ている。
そばには五助が座っていた。
「彩さん、目覚めましたか、良かった」
「私は、怪我をしたが、生きているの」
「はい、先に気がついた東郷様が薩摩藩邸に行き応援を頼むように言われて、薩摩の洋式兵士と駕籠を連れて来ました」
「ありがとう、ここは薩摩藩邸なの?」
「はい、薩摩藩邸です、良順様と言う有名な医者が来られて、東郷様と彩様の治療にあたられました」
「そうなんだ」
その時、襖を開けて誰か入ってきた。
薩摩藩士ではないような、浪人の姿だ。
座るなり話し出した。
「東郷様は薩摩に湯治に戻られました、私は弟子の十蔵と申します、彩様の警護を命じられました」
「十藏様、よろしくお願い致します」
「はい、こちらこそ」
五助が笑いながら話した。
「良順様も、彩様の回復の早さに驚かれていました、傷口もふさがり、もう大丈夫だと申されていました」
そこに、フラりと坂本龍馬が入ってきた。
「この刀は、わしには使えぬ、妖刀なのか持つだけで力が抜けていく、彩が持て」
龍馬は菊一文字を彩につき出した。
「はい、わかりました龍馬様」
「では、わしは出かける」
龍馬は部屋から出ていった。
彩は起き上がる。
「本当だ、あれだけの大怪我がなおっている」
龍馬と入れ違いに、薩摩藩士が入ってきた。
「安倍与作と名乗るかたが来られ、彩様に会いたいと申されていますが」
「はい、知り合いです、ここに通して下さい」
彩は意識を無くす前に若侍に変わっていたようだ、若侍の装束になっていた。
すぐに与作が部屋に入って来た。
「彩さん、あやかしの本拠地を見付けた、伏見の城跡に大勢集まっているようだ」
「本当ですか、ではすぐに行きましょう」
「いや、ここにいる四人では少ない、あやかしは数百は居る、薩摩藩も人数は出さないだろう、伏見奉行所の近くだからな」
「わかりました、では、どうしますか」
「新選組に頼むしかない、もともと近藤局長が始めた事だ」
「わかりました、私が行きましょう」
彩は雪女とバレないか不安だが仕方がない、屯所に向かう事にした。
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