第四章 異国の魔物

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「これから七化けの術を教えるが、授業料として二十両用意せよ」 「葛の葉様、私の持ち金が二十両とわかるのですね」 「ふふふ」 (痛い、持ち金全部無くなった) 彩は二十両を渡した。 「良いか、まずは私の作った、お札を頭のてっぺんに張り付けるのじゃ」 彩は、もらったお札を頭のてっぺんに張り付ける。 「次に手で、この印を結び呪文を唱える」 「はい」 「きすんどうねつきはしたわ」 「あれっ、逆に読むと、私はキツネうどん好き、になりません?」 「うるさい、素直にやれ、頭の中で化けたい相手を念じる」 最初は出来なかったが、少しずつ顔は変化するようになって来る。 三日目に、やっと七化けの術を身につけた。 「よくやったな彩、ご褒美にこの刀を授ける」 彩は刀を受け取った。 「ありがとうございます」 「刀の銘は九字と言う、熊野の行者が龍の滝から採取した砂鉄で打ったからか、物凄い霊力が有る」 「そんな大切な刀を」 「しかし、持ち主を選ぶ、嫌いな持ち主なら、勝手に鞘に戻るか、自ら斬りかかる恐ろしい刀だ、後から試すが良い、さらに誰にも効かないが、刀を見た人間は丸々一日くらいは刀に操られてしまう」 葛の葉は神社に戻って行った。 茶屋の裏で刀を抜く。 「あっ、バカ野郎、抜きやがったな、気持ちよく寝ていたのに」 刀は勝手に鞘に戻る。 彩は、また刀を抜いた。 「この野郎、俺を怒らせたな」 「刀は彩を目掛けて突っ込んできた」 さっと左に転び避けた。 すぐに雪女に変身した。 白い着物に、長い髪。 「受けてみよ、冷凍波」 冷凍波を刀に向かい飛ばす。 すぐに刀身が凍り付いた。 ゴトリ 刀は地面に落ちた。 「うわあ動けないし、寒いよぅ」 刀は泣き出した。 「それでは私の刀になるか」 「わかった、あんたの刀になるから、氷を取ってくれ」 刀にかけた術を解くと、刀身の氷が解けた。 「ご主人様、今までの無礼をお許しください」 「わかれば良いさ」 彩は刀を鞘に納めた。 「さあ、若い浪人に化けて泰屋に行こう」 彩は、よろず相談処に寄り、沖田に日月護身剣を預かってもらった。 「今から泰屋に潜入します」 「わかった、気をつけてください」 「はい、心得ました」 彩は泰屋に向かう。
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