183人が本棚に入れています
本棚に追加
/79ページ
「よう俊哉、いまなにしてんだ?」
それはアルバイト先で知り合った別の大学に通う兄貴分、後藤からの電話だった。
「暇してますよ後藤さん。なにか面白いことないですか?」
俊哉は少しふてくされた様子で答えた。
「ああやっぱりな」
「やっぱりってなんですか、もう! 金曜日だってのにひとり孤独に部屋でテレビを観てますよ。後藤さん、いまから呑みにでも行きませんか?」
「うん、まーそれもいいんだけどね。今日は面白いイベントに誘ってやろうと思って電話したんだ」
俊哉の声はとたんに明るくなった。
「ええっ、なんすか? クラブですか? それともいつもの渋谷のナンパすか?」
「いや、違うんだよ。もっと面白くて退屈しないイベントだよ」
最初のコメントを投稿しよう!