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「じゃ次は私いきますね」野口が手を挙げた。  野口はその長い髪をかきあげるとおもむろに話し始めた。 「よくある学校の怪談ってあるでしょう? トイレの花子さんとか、夜中になると鳴り出す音楽室のピアノとか、放課後に動き出す理科室の骸骨とか…。まぁ、どこの学校にでもあるようなそんな怪談話には大抵パターンがありますよね」  野口の話しを聞きながら他の3人が頷く。 「これは私自身が体験したことです。そう中学2年生のときにね。 そんな学校の怪談のパターンのひとつが、女子たちのあいだで「コックリさん」が流行って、だれかがとり憑かれちゃうっていうやつです。 そう、私の学校でもオカルト大好き女子がいて……それで遊び半分でそういうことやっちゃったわけなんですけどね。私の学校では「コックリさん」じゃなくて「やさしい明美さん」っていう独特のお作法がありまして……」
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