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第1話社長のお気に入り
俺の名前は相葉和翔相葉はまあ、わかるわな?いいか? これで和翔と読むんだぜ。
そして俺は今、何故か、まさに、社長室にいる。
何か馬鹿をした訳じゃない!
ああ、断じて違う、そして目の前の社長である月我晴臣はこともあろうか?
何故か何も無いのに毎回この俺を、社長室に呼び出すと
「和翔、チョコが食べたい」
その言葉にこの忙しい時間に、俺を呼んどいて
呼び出した理由が「チョコレート」だ。
「社長、この忙しい時間に何を」
そう言いながら俯くと
「婚約者なんだよな? 俺達、恋人が欲しいと言っているんだ、お前はどうするべきだ? 和翔」
その言葉に明らかに先程と違う上から目線な物言いにイライラは限界を迎えると
「チョコレートくらい自分で買いに行け! 婚約者だからって甘えさせていい理由にはならないだろう?」
そう怒鳴れば急に今度は泣き始めた。
「うわーん、和翔が虐めるよ~? 酷いよ~」
そう言いながらなおも泣き続ける晴臣に和翔はため息を着いた。
元は、和翔が晴臣のお目付け役をしていたのだ。
だから、晴臣が本当はすごく泣き虫なのを知っている。
そして、晴臣がこんなにわがままに育ったのには理由がある。
まだ、子育てもした事のなかった和翔は晴臣を甘やかしてしまったおかげで今の性格になったのだ。
「晴臣……じゃあ、買ってくるよどこのチョコが良いんだ?」
気を取り直し聞いた途端後悔することとなる。
「GODIVAのチョコレートならなんでもいいよ 」
そう言いながら微笑むと近くにあった箱の中から何かを取り出した。
それは、自作なのか? 見たことのないチョコレートで
「おい、晴臣、お前、今! チョコレート食べてないか?」
その問い掛けに晴臣はため息をつくと
「自作してみたけど、チョコレートブランド品とは味が落ちる、だから食べたいの、何、欲しいの? なら、そうと……」
そう言いながら口に挟むと
「んっ」
と言いながら身を乗り出したので和翔はため息をつくとそのまま唇を近ずけた。
その瞬間、パクっと唇事食べられ事もあろうか舌の侵入まで許してしまい戸惑えば
「ボーとしているお前が悪い」
そう言いながら微笑むと
「ほら、さっさと買いに行けよ、和翔、日が暮れちゃうよ」
そう言いながら笑を崩さない晴臣に和翔は心の中で
『この悪魔め!』
そう思いながらイライラした足取りで社長室を出ていった。
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