吸 血 鬼

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「5分で片づける、その子を頼んだ。むやみに動かせば感染が早まるから」 「えっ、月見里さん、無茶だよ!」 触れても移ったりはしないから安心して。 ヨロヨロと立ち上がった感染者は、もう目が普通じゃない 「ウゥウゥッ」 よく唸る奴だな こっちに向かって走ってくる感染者の名前は、ネームプレートに書いてあった 『橘廻蕗(たちばなみふき)』 今日噛まれたわけではないみたい。 という事は、この学校の生徒の中に吸血野郎がいる。 「大人しくして。」 「ウゥッガ……タ…ケ…テ…」 何? 悪あがきはよして、時間がない。 私だって嫌だ。何の罪もない人が巻き込まれるなんて、残酷だといつも思う けど、こればっかりはお前を生かしておけない。 「もっと早くなら助けてやれた、ごめん。」 感染者は心臓部を刺さないと意味がない すでに脳はドロドロ、刺しても脳の中かき混ぜていると同じなだけ。 簡単に言うと、弱点じゃないって意味。
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