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客間に布団を敷いてもらった私達は、早い時間に就寝することにした。居間の方からは微かにまだ宴の音が聞こえてきている。
それを聞きながらウトウトしていると、布団に潜り込んできた手にぎゅっと手を握られた。
「心配することなかっただろ?」
「はい。皆さん素敵な方達ですね」
あの後、いつのまに集まってきたのか居間には親戚の方が沢山居て、結婚祝いだと秘蔵のお酒を開けてくれたりと賑やかだった。小さな頃の将悟さんの話を聞いたり、アルバムを見せてもらったり……本当にすごく楽しくて、この人達と家族になれることが楽しみだなって思えた。
「将悟さんと結婚出来る事も嬉しいですけど、お義母さん達も含めて将悟さんと家族になれることが嬉しいなって思います」
「……そうか。琴音にそんな風に言ってもらえて嬉しいよ。俺も新しい家族が出来るのが嬉しい。義弟も出来るしな」
笑い合って、口づけを交わす。
「これ以上出来ないのが残念だ」
「……聞こえたら恥ずかしいですしね」
「琴音は声我慢出来ないからな」
「それは将悟さんが悪いんです……っ」
「仕方がないだろ。お前が可愛いのが悪い。もっともっとって、沢山可愛がってやりたくなるんだよ」
「私のせいにしないでくださいよ」
「本当の事なんだから怒るな。……今日はこのまま手繋いで寝るか。少しでも琴音に触れていたい」
「私もこのままがいいです」
どちらからともなく、指を絡めて繋ぎなおす。
「愛してるよ、琴音」
「私も愛してます」
ぎゅっと握りしめた手から将悟さんの温もりを感じながら、ゆっくりと眠りに落ちていった。
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