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16時を少し過ぎた頃、私は本棚にあった本を読んでいた。今は恋愛小説を書いているけど、いずれはファンタジーにも挑戦したいと思っている。
新しい本を手に取ると、本棚の奥に何かが置いてある。よく見るとそれはブレスレットのようだ。黒いシンプルなデザイン。多分、文芸部の先輩の誰かが忘れて行ったんだ。
試しに右手に付けてみた。鏡に映った自分の姿を見るとなんか少したくましくなったように感じる。腰に手を当ててみると私じゃないみたいで新鮮。
まあこれ、私のじゃないし…後で石田先生に届けよう。
ミノリはと言えば、本の虫ならぬパソコンの虫になっている。先輩たちの残した作品の中に気になるものをみつけたのかな。
まあいいや。私も明日の執筆のために読書の続きをしよう。それにしても、中世の生活って今と全然違うんだな。今の感覚で書きはじめなくてよかったと思う。
10ページくらい読んだ時、ミノリが声をかけてきた。
「ねえ…祐奈、来て」
私は近くに落ちていたメモ用紙を本に挟み、ミノリの隣に立った。何か興味深い作品を見つけたのかな。
「これ…バーチャル・ビースト・コロッセオのことだよね?」
『え…?』
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