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ミノリからマウスを借りると、冒頭のページに戻ってみた。そこにはあるカードゲームに関する説明が書かれており、その特徴はどう見てもめんこゲームとよく似ている。いや、そっくりと言っていい。
『この先輩…例のゲームの小説書いてたのかな?』
「小説って感じじゃないよ。この学校とか…先生の名前とか、実在するものばかりだから」
私は近くにあった椅子を引っ張ると、ミノリの隣に座って、問題の小説を読み始めた。
ミノリのいう通り、この学校の名前がそのまま使われている。駅の名前。商店街。国道。店の名前。先生の名前。全部が実名。これ…作品として発表するの不味いんじゃない。だから未発表って書いてあるのかな。
生徒の名前こそ、今の私では調べようがないけど、その何人かが戦いに負けて消えてしまう描写がありありと描かれている。いや、生々しいと言った方がいいかも。
ミノリは黒いブレスレットを見た途端に凍り付いた。
「そ、そのブレスレット…!」
『さっき、本棚で見つけたの』
彼女はマウスを操作すると問題のページに飛んだ。そこではひとりの中学生が消されている。
「それ…番号書いてない?」
『うん…44って彫り込まれてる』
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