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学校に着いて少し経つと、校内放送が響いた。
【えーうぉっほん! 1年1組の出水京介、1年1組の出水京介…大至急、生徒指導室に来なさい】
これは体育教師で学年主任の武田先生の声。しかもとても機嫌が悪そう。隣で聞いていたミノリも、ニヤッと笑いながら私の耳元で囁いた。
「早速、目をつけられたね…あのデコスケ」
こんな呼び出し方をされたら、私だったらすぐに保健室に逃げ出してしまうかもしれない。そっと出水君を見ると、何と大あくびをしながら足を机に投げ出していた。
『えーと、出水君?』
よく耳を澄ませると、出水君の耳についたイヤホンからロック調の音楽が聞こえてきた。近くにいた高野君も慌てた様子で詰め寄る。
「デコスケ、さすがに…」
「テンパってんなよ、モー太の分際で」
最初のうちは出水君の反抗をおもしろがっていたクラスの男子たちも、だんだんと不安そうな表情になってきた。再び校内放送が流れたからだろう。
【繰り返す! 1年1組の出水京介、1年1組の出水京介…大至急、生徒指導室に来なさい!!】
しかも、前よりも強い口調。ミノリも"わお…"と言いたそうに口元に手を当てて出水君を見ている。
出水君はだるそうに席を立った。
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