愛美

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結局、見せてもらえないまま解散となった。 唯華は最後までにやにやしっぱなしで、一人で帰して大丈夫か心配になった。 「じゃあまた後でね!」 その一言を放って彼女は走りさっていった。 また後で、とはラインで結果報告という事で良いのか。 唯華は可愛いし、きっと、、、。 嫌だ。 唯華を、知らない男なんかに取られたくない。 そんな子供みたいな事を思う。 そうだ、唯華がフられてしまえばいい。 そうすれば唯華はまず私に言いに来るだろう。 泣きながら。 昔から泣き虫だった唯華。 いつも私の後ろをついてきた唯華。 彼女の昔を知っているのは私だけ。 男なんかに、何もわかっていない男なんかに、、、! ベットに寝転がり成功しないように必死に祈る。 ーーー悔しい。 ふと、そう思った。 あ、 そうか。 この悔しさは、苛立ちは、気持ちは、 唯華に向けている、、、と。 何もできなくて、いつも泣きながら私を頼っていた唯華。 それなのに、私の初恋の男の子は唯華のことばかり見ていた。 唯華に彼氏ができることが嫌だ。 唯華に先をこされたくない。 私は彼氏なんて出来たことないのに。 これでは負けたみたいだ。 唯華に、、、唯華なんかに、、、、、、、‼︎ この感情に、気付いてしまった。 「失敗しちゃえ。唯華なんて、大っ嫌い。」
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