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プロローグ
小学校ってのは
長いようで短い。
その時の記憶なんて
大人になったら忘れてしまうのだろうけれど、
けれど、
ほんとにうれしかったり
ほんとに衝撃的な記憶は
多分
一生忘れないと思うから
忘れたくないと思うから
小学校の時の記憶なんて
それだけでいいと思うから
。。。
(さら)
「 ねえちょっと、紗良。少しはまじめにやってよ。 」
そういつもの委員長が僕に言う。
「 うるさいなー放課後くらい休ませてよ 。」
「 しょうがないでしょ当番なんだから。 」
窓からはセミの鳴き声がうるさいくらい聞こえてくる。
「 ほんとにもう。他のはやっておくからごみ箱だけ出してきて。 」
「 ほーい 」
俺、影山 紗良 は外に行けると心の中で喜びながらごみ箱を持って
校庭に出る。
暑いな
ごみ置き場に着くと学校の裏山が影になって涼しい。
ふと山を見る、
すると緑が生い茂る山の中に何かが光っているのを目にする。
「 なんだ、あれ?」
何かはわからないが
きれいに輝く一つの光点が山にの中にあるように見える。
それは青色の空に星が一つ輝いているようだった。
だから、今考えたら何をしようとしていたのかわからないけれど
放課後そこに登ろうと思うことは自然だったのかもしれない。
「 じゃあね 」
「 おう 」
委員長と掃除を終え別れた後、山へと続く凸凹な道を進む。
右には木々が生い茂り、
左には田んぼが続く一本道は
夕日で照らされて
とてもきれいだった。
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