第1章 山の丘の上に

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あれから10年後 僕は16歳になった。 あの後どうなったかは俺も覚えていない。 僕はあの田舎町の高校二年生だ。 田舎なので クラスは一クラスしかないし、 それも9人だ。 男女比が2対7なので 友達ができにくいのはお分かりだろう。 まあいるんだけどね。 「 おっす紗良、おはよう! 」 それがこいつ 杉山 忍  「 おはよう。あとその呼び方やめろって言ってるだろ。 」 僕はこの紗良っていう女子っぽい名前が嫌いだ。 みんなはそれをわかって下の名前で呼ぶ まあ別にいいんだけどね。 そして俺は中学校と同じ校舎にある高2のクラスへと向かう。 「 おはようございます 」 俺と杉山はクラスの戸を開け席に着く するとやってくるのは毎日大体こいつだ 「 ちょっと、宿題ちゃんとやったの? 」 そう小学校からの幼馴染 白宮 静香 だ 「 うるさいな~近所のおばさんみたいなこと言うなよ。 」 そんな会話をして クラスががやがやとする中 いつも通り 先生が入ってきた みんなが黙り静かになったのを確認すると先生は思いがけない言葉を口にした。 「 え~転入生を紹介します 」 。。。 「 うおーまじか!!! 」 みんなが歓喜の声を上げる 田舎町なので転入生などめったにない だから クラスみんなが興奮する中 僕だけがみんなとは違う反応をした。 なぜなら 入ってきたのは紛れもない あの時の少女だったから。
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