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お中元は毎年、送られてきた。
しかも1人ずつ、違う生徒からだ。
流石に送りっぱなしも悪いと思った俺は感謝の手紙を送った。
だが、返事は俺に感謝をしているが何とも言えない素っ気のない手紙だった。
ただ、それでも中身の肉はとても美味しくて、それ以外は別に不思議とは思わなかった。
俺はベジタリアンではないし、無料で食材が送られてくるので寧ろありがたいと感じた。
しかも、送られてくる肉の美味しいこと。
肉厚たっぷりで切れ味は抜群。
しかも、とても柔らかく噛めば噛むほど肉汁が口の中に広がってきて、至福のひとときを味わった。
毎年、送られてくるが俺は毎年、この肉をステーキにした。
色んなソースを試みる事もあったやはり、俺の口に合うのは塩コショウだ。
塩コショウだけでも充分に美味しいし、俺の心を満足させてくれる。
次第に俺の身体はぽっちゃりと膨れ上がったが、毎年お中元が送られてくるのが待ち遠しくてならなかった。
そして、いつしか12年の歳月が流れた。
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