贈り物

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「でも簡単に殺すのはつまらない」 父親は俺の頭を離し、再び話し始めた。 「簡単に殺すようでは、苦しんだあの娘が報われない。だから俺達は考えた。勿論、妻も息子2人も俺の意見に同意してくれた。だが、問題はどうやって復讐するか………家族会議は白熱したよ。そして………ある1つの決断に至った」 父親は突然、指を鳴らした。 すると、息子2人が動き出し、横にあった液晶テレビを俺の前に置いた。 「目には目を歯には歯をってことわざの通り、娘はアイツらの快楽の為に殺された。だから、俺達も自分達が好きな快楽でアイツらを葬ってやろうってな」 テレビが設置されると、母親が手でスイッチをつけた。 すると、モニターには若い男が俺と同様に全裸で椅子に縛られていた。 だけどこの男、どこかで見た覚えがあった。 しかし、思い出す間もなく、俺は映像に集中した。 「なぁ、やめて……やめて下さい………かか、勘弁してください。俺、おれ、け、結婚するんでふ。やっと愛する人を見つけたんです………だから………だから………」 男は恥も外聞もなく、泣き続けていた。 しかし、徐々に震え上がり、更に命乞いをした。 「ひっ!い、いやだァァァっ!!!じにだくないっ!!じにだくないよぉぉぉっ!!!ごめんなざいごめんなざいごめんなざあぁいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 カメラは暴れている男の泣き顔を写していたが、ゆっくりと腹の方へと移動した。 そして……男の肉体にメスを入れ、下へまっすぐに切られた瞬間……… 「ごめんなぎゃああああああああああぁぁぁあああぁぁぁあああああああああああああああああああぁぁぁっ!!!!!!」 男の悲鳴が夥しい血と共に、モニターいっぱいに溢れ出した。
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