始業式

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「お邪魔します」 俺が玄関で挨拶をすると奥から年配の女の人がでてきた 「蓮ちゃんいらっしゃい」 「こんにちは。ふみこさん」 ふみこさんは優の本当の親ではない。優は幼い頃に両親をなくしふみこさんの家にひきとられたそうだ。 「さっあがって。」 その言葉に続いて優の家に足を踏み入れた。晩ご飯が出来しだい呼んでくれるそうなのでそれまで優の部屋で待つことになった。 「お茶をいれてくるから好きに座っててくれ」 そう言って優は部屋を出ていったので俺はいつもの位置、机とベッドの間の場所に座った。優の家は昔ながらの家で縁側がある。この間そこで士郎さんとお茶を飲んだのが記憶に新しい。とても居心地が良かった。 優がお茶を持って戻ってきた。俺が座っている方にコップを2つ置いた。 「少し立ってくれるか」 俺は疑問に思いながら素直に立つと俺が座っていた場所に優が座り、おいでと両手を広げてきた。 「なるほど」 俺は少し微笑みながら優の上に座った。すると優は背後から両手を俺のお腹にまわし抱きしめてきたのだった。
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