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ドアが開き、男が歩み寄ってきた。
ライトの中に輝夫がいた。真理は、「助けて! 助けて! 」と
大声で叫んだ。
輝夫は緊迫した空気に触れ、表情が険しくなり身体が硬く
なった。背中を向けていた男が振り返った。
ジープの所有者の男は、忘れかけていた桜田だった。
桜田は輝夫を思い出したらしく、
「なんだ、また邪魔するのか! と怒鳴った。
それを聞いて輝夫の同僚が心配そうにトラックから出て
きた。
輝夫は土木建設会社に勤めており、今日は森林公園で仕事を
していた。これから会社に帰るところだ。
「まだ真理さんに付きまとっているのか! 彼女はあんたを
恐がってるんだ。話なんてできるわけがないだろう」
輝夫は、面と向かって言った。
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