忘れられない手紙

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結婚してもいいと思った。 強く真理を自分のものにしたいと思った。 真理が自分と結婚したいと思っているなら、そんな好都合は ないだろう。 輝夫の父は会社を倒産させ、もう死んでしまった。借金が 残っており、輝夫が返済していかなければならない。 借金の返済をしながらの生活になる。 そんな生活をさせて真理を苦しめてはいけない。それで輝夫 は、妹の友達という関係で付き合っていた。 その関係を真理は、この手紙で変えた。 その夜、何度も何度もその手紙を読み返して、輝夫は涙を 流した。なんで涙が出てくるのかわからなかった。 それから三ヶ月後、輝夫と真理は結婚して鳥取市の 歴史博物館そばの県営住宅に住むようになった。
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