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あれから二十年が経過した。
子どもは二人いる。長男は十九才、大学進学目指して浪人中
で、次男は十五才、高校生である。
真理は、買物に行った。彼女は、二十年たっても美しい。
経済的に余裕を持てない暮らしだが、真理は、不平不満を口に
せず、小さなことに喜びを見つけ、生活を楽しんでいた。
輝夫は、窓辺のソファーに座り、日差しを受けながら新聞
を読んだ。新聞で、「桜田大臣」の記事を見つけ、あの手紙
を思い出す。
真理があれを書かなかったら、結婚してなかった。
あの手紙は、輝夫にとって忘れられない手紙である。
了
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