忘れられない手紙

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しかし真理の方は、さおりのことを思い出せなかった。 真理と一緒にさおりは、輝夫の部屋を訪れて、同じ中学だった 真理さんですと、輝夫に紹介した。 このアパートは全部で4部屋しかなく、2階に2、1階に2部屋である。 真理は1階に住んでいた。つまり輝夫の部屋の隣になる。 部屋が隣同士でも若い男女だから、付き合うようなことは なかった。それでも輝夫の車が故障した時、真理は輝夫を駅まで 送ってくれた。 また、真理の叔母が劇団員で女優だった。その関係で真理も チケットの販売をさせられていた。 輝夫は真理に頼まれて、チケットを買ったことがある。美しい真理 から頼まれると断れなかった。
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