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「行きましたか? 」
「ええ、もう大丈夫です」
静かに部屋のドアが開いた。辺りを見回しながら真理が
出てきた。顔色は、真っ青だった。
輝夫は心配そうに、「大丈夫ですか? 」と声をかけた。
真理は、輝夫の目を見て、小さく頷いた。しかし彼女の身体
は恐怖で震えていた。
「なにかあったら助けるから、……」
輝夫はそう言って慰めた。そして桜田のことを真理に
尋ねた。
真理は、桜田のことを教えてくれた。
工場で働いている時も桜田は変な目つきで真理を見て
いたと言い、その時のことを思い出したらしく、声が
うまく出ず掠れてしまった。
輝夫は、その夜、真理のことが心配で、あまり寝られなかった。
翌日、日曜日。
輝夫は真理に会った。そして昨夜の桜田のことを上司に話して
相談した方がいいよ、と助言した。
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