プロローグ

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プロローグ

「ん?なんだこれ」 そのノートを見つけたのは、なんとなく教授の引き出しを漁っていた時だった。 私、リズは花の女子大生。今回も教授が出張中なので、教授の机を漁る。 別に盗んだりするわけではない。ただ教授の机には色々と面白いものがあるのだ。 前回はキウイから作られた顔だけの人形が、 また前々回は「我は神なり」とか書かれた教授の中学時代の黒いノートが、 そのまた前は先端を赤く染めた大量のもやしが置いてあった。 一体教授は何がしたいのだろう。 「あんまり変なものに触らないでね!」と教授は言っていたが、教授の机には「変なもの」しか無いと思う。まともなのはシャーペンとボールペン程度なのではないか。 ノートの表紙には『さくぶんちょう 1ねん3くみ れん』と記入されていた。 教授の小学生の時の作文帳だろう。 いつもみたいに見た瞬間から困惑するような変なものではなかったが、面白そうだ。 「そっか。教授も子供だった時期があったんだよな。」 子供の頃の教授もまた、変なことばかりしていたのだろうか。 ……子供の姿の教授を想像して、つい顔がほころぶ。 子供の頃の教授は、一体どのような作文を書いていたんだろうか? そんなことを考えながら私は、作文帳の表紙を開いた。
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