4.護王神社の狛いのしし

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 料理が揃うと、誉さんが手を伸ばして、冷蔵庫の中から缶ビールを取り出した。私は自分の分のお茶を用意すると、誉さんの向かい側に座った。 「美味そうだな」 「手抜き料理です。すみません……」  ありあわせで作った、とても胸を張れるような料理ではないので、申し訳なく思っていると、 「謙遜するな」 誉さんはそう言って「いただきます」と手を合わせた。キャベツの豚バラ巻きを箸でつまみ、口に運ぶ。 「うん、美味い」 「……!」 (良かった……!)  ほっとしていると、 「あんた、料理上手だな」 口元に料理を運んでいた誉さんが上目づかいで私を見て、ふっと笑った。  誉さんの誉め言葉に、思わず頬が熱くなる。  ふと、圭祐のことを思い出した。彼は凝ったものを食べたがり、あまり私の料理を褒めてくれなかったように思う。 「あ、ありがとうございます……」  もしかすると、顔が赤くなっているかもしれない。それを隠すように、私は俯きがちに小さな声でお礼を言うと、 「いただきます」 手を合わせ、箸を取った。
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