3.大文字山登山

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 そして翌朝、午前4時半。  私はアパートの下で颯手さんを待っていた。動きやすい服装で、と言われたので、ゆったりめのデニムにTシャツ、朝で肌寒いので、カーディガンを羽織っている。 「朝の散歩にしては、時間が早いなぁ……」  少し眠い。あくびをかみ殺し、まだ薄明るい程度の空を見上げながら颯手さんを待っていると、 「お待たせ」 私と同じように、デニムにTシャツ姿の颯手さんがやって来た。彼はカーディガンではなくシャツを羽織っている。背中にはリュックが背負われていた。 「おはよう、愛莉さん。ほな、行こか」  颯手さんは私に軽く挨拶をすると、先に立って歩き出した。  鹿ヶ谷通を進み、銀閣寺橋を渡ると、銀閣寺の方へ坂を上っていく。
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