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寒気が走ると同時に怒りが湧いてきた。
「だからって……
自分が助かりたいからって、おばけの言うこと聞いたのかよ!」
亮一は淳也に掴みかかる。
「俺だって……
俺だってこんな事したくなかった!
でも……死にたくはないんだ」
淳也に殴られる覚悟を決めた時、カサカサカサカサと便箋が動き出す。
亮一が動き出した便箋を拾い上げ、二人の目線はその文面へ。
便箋は淳也に差し出されたもの。
その一文『入れ替えなければ殺す!』は、滲むように広がって宙に浮き、
「なっ……」
小さな枯葉が舞うように新たな言葉を作り出し、
『入れ替えても殺す!』
殺害予告へと変わった。
「う、嘘だろ……
嘘だろ!」
淳也は薄暗いグラウンドを校門に向かって逃げるように駆け出した。
「淳也ー!」
亮一も後を追うが、
「えっ……」
それより速い真っ黒な影が淳也を捕まえた、
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