事の顛末

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「これからも頼むよ、翔平君」 「慧……」 「よろしくお願いします」 「オウルまで」  翔平の瞳がうるうるしている。  蛍は改めて思った。──ここに来て、本当によかった。  左肩を見ると、オウルが蛍を見ていた。目が合うと、嬉しそうに頬をつついてくる。その先を見ると、慧もこちらを見ている。仕方ないな、といった様子だが、その瞳は優しい。目の前には、感激で目を潤ませている翔平がいた。  戦う相手はまだまだ得体が知れなく、しかも強い。負の感情を抱く不特定多数の人間を味方にすることができる、強大な相手だ。  これから先、傷つけられることも、絶望を味わうことも、きっとある。しかし、また何度でも立ち上がれるだろう。それを、今回のことを通して知ることができた。 「今回は皆に助けてもらいました。今度は、私が皆を助けたい」  そう言って全員に笑みを向けると、力強い笑顔が返ってくる。何よりも心強い。 「フクちゃん、ちょっと移動」 「慧?」  慧はオウルを両手でヒョイと持ち上げ、翔平の肩へ持っていく。オウルは訳がわからず、されるがままになっている。  翔平は慧の動きを追い、自分の右肩を見つめて「オウル、ここにいる?」とワクワクした顔をした。  蛍も首を傾げていると、慧が距離を詰め、蛍の肩を抱き寄せた。
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