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鈴木先生。
ご無沙汰して申し訳ありません。
先日は母の葬儀を執り行ってくださったとの事、
本当にありがとうございました。
教誨師の神父さまから伺いました。
母独り、子独り。
本来なら僕が埋葬までしっかり見届けなければなりませんのに
こんな親不孝を重ねてしまったことは、母にはあちらにいった折に
しっかりと謝ります。
葬儀の時間にはここで手を合わせて、伏して参らせていただきました。
母との思い出は、あまり良いものはありませんが
母を疎み、家を飛び出し、心のままに生きて来た僕でしたから
おそらくこんなことになったのかもしれません。
あの時、僅かなお金のために手をかけたおばあさんは、
今思うと母への逆恨みで殺してしまったのかもしれません。
そう思うと、申し訳なくてたまらなくなります。
もし叶うのなら、目が覚めたら
母と暮らしていたあの汚い狭い部屋であったら・・と毎朝思います。
先生。
寒くなってまいりました。
どうぞお体お大事になさってください。
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