4通目

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鈴木先生。 ご無沙汰して申し訳ありません。 先日は母の葬儀を()(おこな)ってくださったとの事、 本当にありがとうございました。 教誨師(きょうかいし)の神父さまから伺いました。 母独り、子独り。 本来なら僕が埋葬(まいそう)までしっかり見届けなければなりませんのに こんな親不孝を重ねてしまったことは、母にはあちらにいった(おり)に しっかりと謝ります。 葬儀の時間にはここで手を合わせて、()して参らせていただきました。 母との思い出は、あまり良いものはありませんが 母を(うと)み、家を飛び出し、心のままに生きて来た僕でしたから おそらくこんなことになったのかもしれません。 あの時、(わず)かなお金のために手をかけたおばあさんは、 今思うと母への逆恨(さかうら)みで殺してしまったのかもしれません。 そう思うと、申し訳なくてたまらなくなります。 もし(かな)うのなら、目が覚めたら 母と暮らしていたあの汚い狭い部屋であったら・・と毎朝思います。 先生。 寒くなってまいりました。 どうぞお体お大事になさってください。
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