月がとても綺麗で

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時計が深夜0時になろうとする頃、バタンと玄関のドアを閉めた。 「ふーっ」 深い息と共にベッドに倒れ込む。 部屋は静かだ。 何の物音もしない…。 でも、耳の奥では、さっきまでいたバイト先の居酒屋の喧騒が残っている。 昼間は大学で勉強し、夕方からバイトだったので、疲れて動けない。 暫くの間、屍のようにベッドにうつ伏せていると、コートのポケットに 入ってるスマホが一度ブルっと鳴った。 里子からのLINEだ。 「起きてる?」 「起きてるよー」と返信。 「寝ないのー?」 「さっきバイトから帰ってきたとこー」 「お疲れー」 僕が返信すると、すぐに既読になる。 「今、少し電話してもいい?」 ん?何だろう? いろんな考えが頭の中をぐるぐると巡った。
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