月がとても綺麗で

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里子がくすっと笑った。 「どうした?こんな時間に。」 僕が一歩踏み出して静かに尋ねた。 「私ね…」 話の途中でふーっと息をする声が聞こえた。 少し間を置くと 「振られちゃったぁ」と勢いに任せて言った。 「向こうに好きな人ができたんだっ…て…」最後は涙交じりの声になっていた。 里子には大阪に2つ上の彼氏がいた。 大学の同じテニスサークルの先輩だ。 僕は入れ違いで入ったので、よくは知らないが、大学を卒業してから、 先輩は地元の大阪に戻り、遠距離となったらしい。
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