私から貴方へ、貴方から私へ

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「しかあやめは変わったわね。」 転校したばかりのあやめは暗いイメージだった。あやめの性格や、前の学校での出来事が原因だと後で聞いたんだけど。とてもお嬢様とは思えない女の子だった。 クラスの男子がそんな女の子に話しかけることもなく…、と思ったのに、次の日嶋田くんと二人で手を繋いで登校してきたのには誰もが目を疑った。忌み嫌われる血族だが、かなりのイケメン。その彼が陰気な女子と登校してきたのだ。さらに、嶋田くんは過去の出来事から、女性に触れることができない。あやめと手を繋ぐなんて考えられない場面であった。 一部の生徒からは「月島は女と思われていないんじゃ。」と笑っていたが、私は確信した。嶋田くんを救ってくれるのはあやめしかいないと。 それから私と未来と茜で月島あやめ大改造計画を発動し、6年生になるころには、あやめは誰もが振り返る超絶美少女に変身するのであった。 そのあやめのパーティーに私達親友グループが呼ばれた。 圧巻なパーティー会場に私達かあたふたしていると、奥からこれ以上ないというくらいの美形青年が現れたのだ。 「あやめのお友達かい?今日は来てくれてありがとう。私は兄の蓮華です。」 私達より一回り上に見える青年は、小学生の私達に丁寧に挨拶をしてくれた。
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