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やりがいも、夢も希望も持てない職場だったから今度はもっと優しくて夢中になれるような仕事を探したけれど就活は上手くいかなかった。
面接受けまくったおかげで何とかこのラッキーランドには就職できそうだけど、きっと俺はこれからもやりがいや熱中出来る仕事には巡り合えないのだろう。
そんな心の虚しさを反映するかのように風が吹き、枝にぶら下がるマフラーが不気味に揺れる。
「おいおい。何か嫌な予感がしてきたな」
昨日は強い風が1日中吹き荒れていたが、本日も時折強い風が園内にある落ち葉を激しく舞わせていた。
植木のすぐ傍には巨大な噴水池がある。風向きから考えてもし今強風でマフラーが飛ばされてしまうと池ポチャしてしまう可能性がある。
「いやいやいくら何でもそれはないか。今の今まで木の枝に引っかかってたわけだし」
すると、まるでこの言葉に反応するかのように空気を切り裂く様な強い風が俺の背中を打ち付けた。
次の瞬間、マフラーの端がふわりと浮き上がりまっすぐに噴水の池へと降下していく。
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