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「くそったれ! 完全なフラグ回収しやがって」
木の枝から外れると同時に俺は噴水へ向けて駆け出していた。
ちくしょう。別に他人のガキのマフラーが濡れようがズタボロになろうが知ったこっちゃないのに。
今朝見たあのリストに『亡くなった祖母が編んでくれた思い出の品』とか要らん情報さえ記載が無けりゃこんなに必死に走らないで済んだのに。
「だぁああっ!」
俺は頭からマフラー目掛けて飛び込むと思い切り伸ばした両手で無事キャッチ。
瞬時に上半身を捻ってマフラーを池の外へと放り投げる。
「南無三!」
次の瞬間、小気味の良い水没音が辺りに響き渡った。
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