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「あーい。呼んだ?」
がらり。と後ろのドアが開く。そこには、白髪の男子。
黒猫塚白猫が立っていた。
「へ? なんで? なに?」
あたしは動揺する。白猫くんが二人。
一人は化け物だけれど。じゃあ、ドアから来たのは誰?
「なんだよ――動揺しなくてもいいだろ? これは亜夢ちゃんの夢なんだから」
夢? これが? 目の覚めない悪夢。
あたしは、だんだん現実との境目がよくわからなくなっていた。
「夢だったら何でもあり――つーわけで亜夢ちゃんの夢からお借りしたよ」
そう言って白猫くんはズボンのベルトに挟んでいたものを取り出した。
――コルトパイソン。357口径の大型リボルバー。つまり、拳銃。
「いやー。いい趣味してるよ」
そして、白猫くんは拳銃の激鉄を起こす――
「あ、それ……」
あたしが声を掛けようとしたがもう遅かった。
ガチリと音がなった瞬間。白猫くんが光に包まれる――
「ああ?」
白猫くんは自分の身に何が起こったのか理解できず驚いている。
その光は、だんだん大きくなりやがて収縮。
そこには――変わり果てた白猫くんの姿。
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