セフレとのひと時

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 僕は言われた通り黙した儘、その食いっぷりを動物園で猛獣の食事を見学する児童宛らに食い入る様に見守る。  佐奈は咀嚼しながら僕を横目で一瞥して食べ物をしっかり飲み込んでから僕に顔を向けるなり、「もう!やだー!ケイタ君ったら!じっと見ないで!テレビ見ててよ!」 「あっ、はい。」と僕は答え、言われるがままテレビに顔を向ける。  佐奈はその隙にバキュームクリーナーで物を吸い取る様に物凄い勢いで残ったカレーライスを口の中に放り込んで食べ終え、「あー、おいしかった!おかわりしてこっと。」と言ってカレー皿を持ってキッチンへ行き、直ぐにカレーライスがてんこ盛りになったカレー皿を持って戻って来ると、ぽつりと一言、「見ないでよ。」と言った切り再び物凄い勢いでカレーライスを口の中に放り込んで食べ終え、今度は黙った儘、お盆ごと持ってキッチンへ行き、暫く戻って来ない。
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