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其れは果たして何処に存在するのか、遙か空高く聳える煉瓦色の壁に分断された世界が在った。
この世界にも嘗ては統治され、花々の咲き乱れること天国の如しと謳われた百花繚乱の時代が有ったと云う。併し、今や世界は砂塵に溺れ、朝霧に黒い太陽が、夜霧に白い月が昇るばかり。其の敏腕を以て世を統べたとされる絶対的な君主も消え去り、元より有った諍いが、歴史に顔を出しては数多を絶息に導く疫病の如く、始まろうとしていた。
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第二区画 │ 第一区画
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第三区画 │ 第四区画
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元ネタは関数なので、これに沿って説明する。
○はX2+Y2=nによる形成される“原点区画”であり、その中心に“小城”と呼ばれる建物がある。
X軸・Y軸により構成される“壁”は途方も無く高いが「辺り一面荒野」に見える程度の幅はある。少なくとも“壁”は荒野と枯れ木の山で出来ており、ディストピアな感じしかしない。
第一話に登場したルイス達が居るのはこの“壁”である。
「どうやって登ったり下りたりするのか?」
は物語の進行的に聞いてはいけないし、そもそも住民からまともな答えを得られないだろう。理由は追々。
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