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街道についた一行は草むらから現れた熊…もとい双葉が車を出した。
「こ、これって異流品!?」
「ん?遺留品?」
「なになに〜、リュカちゃん知ってんの?」
双葉が車を取り出すと、目を見開いて大驚きするリュカ。
「は、はい!聞いたことはありますが見たことは初めてです!」
「へぇ〜…ちなみになんで知ってんの?」
「ちなみにコレを持っているということは、あなた方は異世界人ですか?」
興奮冷めやらぬ感じでレオの言葉は耳に入っていないようだった。
いつまでもその場にいるのは阿呆なので車に乗り込む。
「異流品というのは異なる世界から流れてきた品…という意味です。そのどれもがとてつもない技術力の塊で模倣することは不可能とされているものです。」
「ふんふん、それで?」
「きゃっ!…こ、これが鉄の馬車!早いのに全く揺れないです!」
説明を聞きながら車を発進させると、まるで異世界者の小説のような反応をするリュカ。
「異流品が流れ着くのは3つの方法があります。1つ、王族が勇者召喚を行った時に勇者様が身につけているものがそのまま召喚される。2つ、なんらかの方法でこの世界に能力を持たずやってくる人の所持物。3つ、なんらかの形でこの世界のどこかに流れ着く物。この3つです」
ふごふごと鼻息荒く説明するリュカに、リュカ以外の車内一同は少し引いた感じだった。
「ポチは何か知ってる?」
「え!!?あ、いや、な、何も知りません……すいません!殺さないでください!食べないでください!」
「ははは、ポチはおかしいね。ポチなんて食べないよ」
助手席に座り縮こまっているポチ。調教の第一段階の『恐怖状態』の症状で、良い感じに進行している証である。
第二段階になると『従順状態』になり、感情が抜け落ちたロボットのようになる。そして最終段階が『狂信者』となる。こうなるとナンバーズの様な状態になる。
「レオはポチも食べるよね?」
「ん?」
「性的な意味で…」
「っ!!……そ、そんな、交尾…つ、番!?」
「あらぁ〜、ポチちゃぁ〜ん、顔あかくなってるよぉ〜?」
雅によるハーレム追加宣言を受け、顔を赤くさせてもじもじとし始めた。そこに追撃として雅と似たもの同士のユチが後ろから手を回し、胸をモミモミする。
「話は戻るけど、今現在で現存する勇者や異世界人はどのくらいいる?わかる範囲でいいよ」
「今生きている人は8人います。この国『ラノス王国』にいるのは3人。神部 結衣さん、治癒の御加護を授かっていてこの世界一番の腕です」
勇者や異世界人について聞くと嬉々として話し始めた。
神部結衣…治癒能力を神から授かり勇者召喚された。18歳。一年前に呼ばれた。現在は王城にて治療の全てを担っている。
王族の持つ金の卵を生む鶏、ということで半ば軟禁状態にあり、それに嫌気がさしている。
龍泉寺 真冬…千里眼の加護を授かり結衣と共に召喚された。遠くのものを見ることはもちろん、過去や未来すらも見ることが可能。レオ達には効かない。
こちらも王城に軟禁中。
北条 隼人…この世界基準で一番攻撃特化の人の三段上の加護を授かる。所謂俺TUEEE!状態のお花畑野郎。ハーレムを築き酒池肉林のかぎりを尽くしている。
2人と同期。ラノス王国最強の矛。
クリスタ・ローパー…北条隼人とは対となる能力、防御特化の加護を授かる。現在は何処にも所属しておらず、自由気ままに旅をしている旧モルダ教国最堅の盾。
2年前に召喚される。19歳。
アビデル・スクローラー・バッシュ…透明になる技能を授かっており、その時間は半年ほどなら可能。現在の肩書はサエルバロル帝国特殊工作部隊総括兼親衛隊隊長…となっているが、その実態は帝王はアビデルの傀儡となっている。
5年前に召喚。27歳。独裁者。
劉 鐘林…光速移動とそれに耐えうる身体の加護を授かる。現在はアルマソース連合国の情報伝達部門にいる。
4年前に召喚。24歳。棒術、槍術、拳法の使い手。
「残りの2人についてはほとんど情報がないので分からないです。この2人に関してはどこの国も召喚していないため流れ着いたであろうと言われています」
「ふんふん、なかなか面白いね。暫くはこの国にいるけどそのうち観光に行くものいいかもね」
長々と説明したリュカは少し疲れたような感じだった。
「あっ…んふぅ…あ、だめぇ〜……んっ!はぁはぁ、はぁはぁ」
「うふっ…かわいぃ〜」
「「「……」」」
リュカが話している間も続いた恥ずかし責め。ユチのテクニックによりポチはビクンビクンと跳ねた。
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