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世間話をしながら歩くとあっという間に村に着いた。
「もしもし、もしもーし!」
「……うぅん…っ!だ、誰だ!」
寝ていた番兵を10歩ほど離れた位置から声をかけて起こす。
番兵は慌てて起き槍を手に威嚇する。
「いや、旅をしているものなんだけど……そんな風に構えられると鞭打ちたくなるんだ。この気持ちわかるかい?」
「ひぃ、ひぃぃ!……きゅう〜」
武器を構えられると反射的にサディストの血が騒いでしまうレオ。そんなレオの凄みにど田舎の番兵が耐えられるわけもなく、軽い悲鳴を上げて早々に失神してしまった。
「あーあ、早速やらかしちゃったね」
「あはは、大丈夫だよ、記憶改造しとくから。64頼んだ!」
「畏まりました」
街道脇の茂みから現れるひょっとこの仮面をつけた男。彼の技能は『虫』。虫を使って様々なことをし、記憶の改造も可能。
「それじゃあ進もうか」
そのまま番兵を放置して村に入る。
このような場所ではよそ者は珍しいため注目の的だ。レオ達は話を付けるためこの村の一番大きい建物に向かう。
「これはこれは、旅人ですかな?」
「はじめましてご老体…僕の名はレオといい、ご老体の言われた通り旅人をしております。どうか一晩だけ止めていただけないでしょか?」
そう言って袖の下を通す。
「これはほんの迷惑料だとお思いください」
「おっほっほ、随分と爽やかな青年ですな。うちの若い者達にも見習わせたい!ささっ長旅でお疲れでしょうし我が家でお休みになると良いでしょう」
ちょっとした宝石を渡しただけでこの待遇の良さ。村長はニヤニヤとした笑みを浮かべて家に案内する。
レオ達と会った時から村長の目線は雅の胸に固定されている。勿論のこと男の欲望に満ちた視線などバレている。そのことに気がついていないのは見ている本人のみだ。
「今粗茶を入れてまいりますのでどうぞお寛ぎ下さい」
「いえいえ、お構いなく」
まるで日本人のようなやり取りをする。少したち村長は粗茶を持ってきた。
「…ずずず…はぁ、ホッとしますね」
「こくっこくっ…ふぅ」
「ずず…素朴な味わいですね」
「ふーふー、ずずっ、あっちゅ!」
上からレオ・雅・ビル・ユチである。
一息ついてからレオは村長にこの世界のことを聞いた。暫く雑談していると眠気が襲ってくる4人。
「ふぁ、おっとすみません、疲れたのか眠気が…」
「ほっほっほ、そうですかそうですか。皆様方の個室を用意いたしましたのでご案内いたします」
4人はそれぞれ別室に案内されるや否や寝床に倒れ込むようにして寝る。
全員が寝たのを確認した村長は好々爺の外面を剥がし欲望に満ちた顔を表した。
「ひっひっひ、流石我が家秘伝の睡眠薬。速効で長い間効く…ひひっ、さて、どの娘から食べて行こうかなぁ〜」
まさか悪魔のような集団を強姦しようとしているなどとは思いもよらないだろう。ましてや薬が効いたかのような演技をしてタヌキ寝入りしているとは……。
「ううぅん、雅とか言う娘からにしよう」
ぐひひ、と卑劣な笑い声をあげるそれはもはや悪魔のようだ。
雅の寝てる部屋に入り服を脱がす。
「おっほぉー、このはりとつや、美しい!もう我慢ならん!」
自分も裸になり馬乗りになろうと動く。
「あら、村長さん?何しているのかしら?」
「んな!?」
パチっ、と音がなったかのような目の覚まし方は、まるではじめから起きていて寝たふりをしていたかのようだった。
かちゃ
「さて、これはどう言った調教をほどこしましょうかねぇ」
薬で寝ていたはずの3人も入ってくる。その姿を見た村長は何を思ったのか急いで雅に入れようとする。
「くっ!せめてこのアマだけでも!」
「ちょ!本気?よっと」
「ぐべぇっ!」
マウントを取られた状態で村長の喉を突く。
カエルが潰れたような音で後ろに仰け反るとそこにはレオが笑顔で待っていた。
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