家族の在り方

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 夕ご飯を終わらせ自室に行く。今日は豚肉のショウガ焼きだったので流石に茄子のショウガ焼きはでなかった。その代わりお味噌汁の中に茄子が入っていた。  わたしは小学生にあがってから買って貰った机に向かって勉強を始める。文章を書くのが得意な弟と違って国語は苦手だ。特に古文なんてものはまったく意味が解らない。得意な科目は数学。それに化学だ。自分は理数系の人間なんだと思う。大学もその方面を専攻したい。  わたしの住んでいるのは千葉県だ。千葉県でも都内に近い船橋市に住居を構えてもらっている。高校は船橋市内の公立高校だが、大学に上がってからは都内に通学したいと思っている。  今日はなんだか気分が乗らない。勉強しても集中することが出来ず、ため息ばかりが出てきてしまう。別にこれといって嫌なことがあったわけでもないのに。きっと弟のこととかお父さんのこととか考えてしまい、あれこれと家族の在り方について考えてるんだ。そして、この仲良し一家はわたしが大学に進学して一人暮らしでもすればバラバラになってしまう確率が高いと懸念する。その可能性を考えると胸がもやもやと痛くなる。わたしは大人と子供の曲がり角にいてどの道に進もうか困惑しているんだと思う。  時計の針が11時を回ると何時も寝るタイミングだ。朝は6時に起きるので、睡眠時間は7時間、中学生の時はもっと寝たが、宿題やら予習をしているとどうしても遅くなる。もっと効率よく勉強が出来たら楽なのに。そんなことを考えていると今日見た財布の中のレシートを思い出す。  高校1年生用の数学だった。  こんなちっぽけなことで憤慨しているわたしも心が狭いが、お小遣いは平等だ。少ないお金の中から菓子パンを買ったりカップラーメンを買ったり、成長する身体に栄養を与えているのだ。
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