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口上・1
お初にお目にかかります。
アタシの名前は、速水 和葉と申します。
そして、隣に控えますこちらは、アタシの双子の妹で、六花と申します。
現在、地元の公立中学校に通う、中学1年生です。
アタシたち双子姉妹は、
パティスリーを営む父と、歯科衛生士の母。
6歳年上、現在19歳の姉 都蘭と、
4歳年上、現在高校2年生の兄 颯人の、
4人兄弟、6人家族です。
アタシたち一家が住む街は、宝滝市、と言います。
人口約22万人、約9万世帯を有するこの街は、
三方を山に囲まれいてます。
こんな、放っておくと栄そうにもないところに都心のベッドタウンとは言え、街ができたのは。
造ってくれた偉い人がいるから。
鉄道を敷き、遊園地を、温泉を…
そして何より、あの素晴らしい劇場を！！
造ってくださった偉い人のおかげで、
放っておくと栄えそうにもない アタシたちの街は、
全国的にも、少しは知られた街になりました。
素晴らしい劇場の名前は、『宝滝歌劇場』。
世界でも珍しい、女性のみで演じるミュージカル『宝滝歌劇団』の、専用劇場です。
最寄駅からつづく、煉瓦の敷き詰められたロマンチックな遊歩道。
遊歩道の先の、遊園地のゲート横。
遊園地の夢の世界の一角をなす、
『乙女の夢と憧れの殿堂』。
それが。
アタシたちも憧れてやまない、
『宝滝歌劇場』。
そして、『宝滝歌劇団』なのです。
さて、アタシたち双子が、この『タカラダキ』に、強く惹かれるようになったのには。
先にご紹介しました アタクシどもの長女の、都蘭の影響があります。
今からお話しします物語は、
この、アタシたちの憧れ、大好きな都蘭おねいちゃまの物語です。
途中、共感のあまり お辛くなってしまうようなことも、あるかも知れません。
ですが、アタシたちの大好きなおねいちゃまのため、
どうか、ご一緒に耐え忍び、
輝く明日を、
どうか、ご一緒に目指してくださいますことを、
切にお願い申し上げますーーーーー。
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